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哲学 / 人との距離

返事を待つ夕方、スマホを伏せてお茶をいれる

返事を待つ時間が、少し長く感じる日。お茶を一杯いれるあいだに、自分の時間も大切にしてみませんか。

くらしと心の道しるべ · 公開日

送ったのは「土曜、何時ごろにする?」という短いメッセージ。夕飯のお米を研ぐ前にも、水を量ったあとにも、指を拭いて画面をのぞく。予定を知りたかっただけなのに、いつのまにか、最後に会った日の自分の言い方まで思い返している。気になるのは集合時間だったはず。いつのまにか「変なことを言ったかな」と、別の心配が始まっています。

返信を待つ夕方。スマホを伏せて置いたテーブルに、お茶が一杯。
夕方六時まで待てると分かったら、お茶を一杯。

何時までに分かれば間に合うだろう

まず、返事が来たら何を決めたいのかを考えてみます。映画の席を取るなら、予約する時刻までに人数を知りたい。近所でお茶を飲む約束なら、明日の朝に決めても間に合いそうです。同じ「返事が来ない」でも、こちらが困る時刻は少し違います。

古代の哲学者エピクテトスは『提要』の冒頭で、自分で決められることと、自分だけでは決められないことを分けて考えました。この夕方に引き寄せるなら、相手がいつスマホを見るかは相手の事情。こちらは、お米に水を入れて炊飯ボタンを押せるし、予約の締切も伝えられます。エピクテトス『提要』第1節(英訳)

「六時までに分かると席を取れるよ。難しければ今回は当日決めようか」。もう一度送るなら、こんなふうに理由と選択肢を一緒に。急ぎの用件なら電話でもいい。急ぐ理由が見つからなかった日は、次に画面を見る時刻だけ決めて、お湯を沸かしましょう。

スマホの置き場所にも、向き不向きがある

伏せても手を伸ばしてしまうなら、充電器のそばに置いてみます。連絡を受ける必要がある日は、着信音の聞こえる距離に。別の部屋まで離すかどうかは、今夜の事情に合わせて決められます。

卓上時計が役立つのは、時刻を見るたびにメッセージまで開いてしまう人です。買う前に、台所の時計を椅子から読めるか確かめてみてください。もし買い足すなら、夕方の薄暗さでも針が読めるものを。寝室と兼用なら、秒針の音や表示の明るさも選ぶ条件になります。ふだん腕時計をしているなら、それを湯のみの横に置くだけで用は足ります。

時計を増やすなら、いつもの席から読めるものを

選ぶ基準を三つに絞ると、見た目の好みも大切にしながら比べられます。

読む距離

台所と椅子の距離を測り、表示の大きさと文字盤の見やすさを確認。近くで見やすい時計が、部屋の端からも読めるとは限りません。

置く時間帯

夕方に使うのか、寝室にも置くのか。秒針や操作の音、表示の明るさを確認します。「静音」の言葉だけで決めず、商品の説明も読んでみます。

置き場所と電源

棚の奥行き、コードを通す場所、必要な電池の種類を確認します。充電式なら充電の手間も含めて、自分に合うか考えます。

一週間ほど腕時計や家の時計で試して、時刻を見るためにスマホを開く回数が気にならなくなれば、買い足さなくてもよさそうです。時刻が見えていても返信を確かめたくなるなら、時計の性能を上げるより、次に見る時刻やスマホの置き場所を調整してみましょう。

時刻ではなく「五分たったら」を知りたい人には、休憩用タイマーの選び方もあります。

お茶が冷めるころにも、画面はまだ静かかもしれません。それでも、お茶は温かいうちに飲めました。返事を待つ夕方に、自分のための時間も少しあってよいのだと思います。

あなたの心が軽くなりますように。