くらしと心の道しるべ日々に、ひと呼吸。

暮らしと心の読みもの

ホーム読みもの

生きる知恵 / 人との距離

「ありがとう」が遅くなった日に、短いひと言を

お礼を伝えそびれて、時間がたってしまった。今からでも届けられる、小さなメッセージを考えます。

くらしと心の道しるべ · 公開日

貸してもらったノートを返したあと。忙しいときに仕事を代わってもらったあと。「ちゃんとお礼を言いたかったな」と思い出すことがあります。その日はばたばたしていて、翌日は顔を合わせず、気づけば数日。今さら送るのも変かな、と文字を打っては消してしまう。

あらためて言おうとすると、立派な文章が必要な気がします。でも、相手が何をしてくれて、どこが助かったのか。その二つを思い浮かべると、短い言葉でも伝えたいことが見つかるかもしれません。

短い言葉を、一通の便りに。
短い言葉を、一通の便りに。

助かった場面を、ひとつ添える

「この前、ノートを貸してくれてありがとう。休んだ日の授業が分かって助かったよ」。仕事なら、「先日は確認を手伝ってくださって、ありがとうございました。迷っていた箇所を直してから提出できました」。

長く書くために、その日の出来事を全部並べる必要はなさそうです。どこが助かったかが分かれば、相手も「あのことか」と思い出せます。お礼が遅れたことに触れるなら、「遅くなったけれど」とひと言添えるくらいでも。

返信してもらいたい用事がなければ、質問を足さずに終えてみましょう。受け取った相手が、その人のタイミングで読める一通になります。送る時間は、いつもの連絡のしかたや相手の生活に合わせて選べます。

次のお礼は、会ったその場で少しだけ

アリストテレスは『ニコマコス倫理学』第二巻で、行いを重ねる中で人のあり方が育つと論じました。この考え方を日常に借りるなら、一度伝えそびれた自分を決めつけるより、次に助けてもらったときのひと言に目を向けられそうです。『ニコマコス倫理学』第二巻(英訳)

相手に品物を渡したいときも、まずは言葉だけで伝えてよいのです。小さなカードが合うのは、借りた本に添えるときなど。便箋を選ぶなら、二、三行を書いても余白が多すぎない大きさだと、書き始めやすいかもしれません。

カードを添えるなら、渡し方に合う一枚を

手元の紙に短く書いて、本と一緒に渡すこともできます。カードを買いたいときは、書ける面の大きさと、いつものペンで書ける紙かを確認してみましょう。きれいな表紙でも、内側の色が濃くて文字を読みにくく感じることがあります。

本に挟むなら、本を傷めにくい薄さと、ページから大きくはみ出さない大きさを。封筒に入れるなら、封筒が付いているか、カードが収まるかも見ておきます。一度きりのお礼なら、大きなセットを買う前に、残りを使う場面があるかを考えてみても。物を添えるときは、相手の職場や学校に受け取りの決まりがないかも確かめます。

品物を用意しているうちにお礼が先延ばしになりそうなら、先に短いメッセージだけ送る方法もあります。頼みごとのあとに何度も謝ってしまう人は、感謝と必要な説明を分ける記事も読んでみてください。

送信したあと、少し照れくさくなることもあるでしょう。それでも、受け取ってうれしかったことを一つ届けられた。今日の便りは、そのくらいの大きさで十分です。

あなたの心が軽くなりますように。